食品関連市場のニュートレンドと企業の盛衰(第5回) - 卸売業を深く知るためのサイト

食品関連市場のニュートレンドと企業の盛衰(第5回)

第5回:コストアップにより厳しさ増す卸売業の業績

第4回では、上場大手加工食品卸売業の伊藤忠食品(2692)の厳しさは、セブン・イレブンの扱い商品の中で伸びているのが、日配品やPBであることをデータで示した。しかし、昨日発表された三菱食品(7451)の決算から新たに食品全体にコストアップの影響が出て厳しい実態も浮き彫りになった。

三菱食品の2013年9月中間決算は期初計画の3.0%増収、2.1%営業減益に対して、2.7%増収、14.4%営業減益と厳しいものであった。第四半期決算(4-6月)は2.2%増収、12.4%営業増益と順調であり、それに対して第2四半期決算が3.1%増収ながら25.9%営業減益と大きく落ち込んだことには意外感を感じた。

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セグメント利益の動向を見ると、第1四半期は加工食品足を引っ張っていたが、第2四半期にはすべてのセグメントで減益となっている。これは昨年来言われていたことであるが、小売業からの見積もり合わせが頻繁で、どうしても粗利が低下傾向にあるとのこと。

もっとも現状の厳しさは、数か月前の契約によるもので、足元の契約に関してはさすがに歯止めがかかりつつあるようだ。
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ただし、その深層を探ってみると、円安を中心とするコストアップが食品流通全般にボディブローのように効いているということであろう。アベノミクスでは円安、インフレがターゲットであるが、食品流通全般からすると厳しい状況である。外食などでもその影響は表れており、低価格外食ほどコストの影響を受け始めている。

もっとも、それを当事者がはっきりと認識できるかというと意外と見落としてしまうものである。つまり、今、コストが上がっているかというと、それほど上がってはいないという認識である。しかし、日本の食品店頭価格が継続的に低下してきた背景は、コストが下がってきたことである。製造コストだけではなく、物流コストも含めてである。

それゆえ、コスト削減を継続的に行い、上昇を極力抑制しているのが現状である。しかし、利益が増えていたときは、それらの努力でコストが下がったので、販売価格を下げても利益は増えたのである。現状でも販売価格を下げようとするので、コストが下がらないため、結局は利益が減ってしまうのである。このことに一刻も早く付く必要があろう。

2005年から2006年にかけて、メーカーがコストアップのため販売促進費を抑制したが、卸売業はそれまで同様販売促進費は増えると見込んで先に値引きしてしまって、あとから大変なことになったのは記憶に新しい。その二の舞は避けたいものである。

伊藤忠食品に次いで、三菱食品の業績も厳しかったことから、加藤産業(9869)の決算も要注意である。

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2013-11-06 | Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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