食品関連市場のニュートレンドと企業の盛衰(第6回) - 卸売業を深く知るためのサイト

食品関連市場のニュートレンドと企業の盛衰(第6回)

第6回:長引きそうなメーカーコストアップの影響

伊藤忠食品(2692)、三菱食品(7451)と公表された加工食品卸売業の業績が厳しかったため、前回、加藤産業(9869)も注意が必要としていたが、やはり加藤産業の業績も厳しいものであった。
伊藤忠食品:http://orosi100.seesaa.net/article/379397255.html
三菱食品:http://orosi100.seesaa.net/article/379517888.html

11月8日に公表された加藤産業(9869)の2013年9月期決算は1.8%増収、7.0%営業減益、6.6%経常減益、5.3%純利増益となった。売上高と純利益は会社計画を上回ったが、営業利益と経常利益は下回った。特に第4四半期の3ヵ月は2.7%増収、13.2%営業減益と厳しいものとなった。

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同社の場合、他社と異なり、第3四半期に加工食品の営業利益は前年同期比で一旦増益に転じていたが、第4四半期には再びマイナスとなった。第4四半期には各セグメントとも落ち込んだが、特に第3四半期に続き低温の収益の落ち込みが大きかった。

ここにきて卸売業の利益の落ち込みが目に付く。しばしば一般的な解説では、小売業の値下げ要求が厳しくとあるが、小売業の価格引き下げ要求は恒常的でありそのせいにするのはいかがなものかと思う。通常はそのような値下げ要求に応えつつ、コストが下げられる局面では利益が確保できていた。しかし、アベノミクスによる円安があらゆるコストアップにつながり、コストが下がらないため業績が厳しくなっているというのが現実である。

同社でも経費面から見た厳しさの要因の一例として、これまで委託先に協力して下げてもらっていた物流費が、燃料コストの上昇もあって若干上がっていると述べている。また、メーカーのコストアップによる販売促進費の抑制もマイナス要因である。これは、2000年代半ばにコストアップにより、卸売業の業績が厳しくなった時期と状況が重なる。当時は2年ほどで同社業績も40%ほど落ち込んでいる。

ただし、メーカーが値引きを抑制する過程では厳しくとも、価格を改定すると業績は回復に転じるため、前回もその後過去最高益を更新している。その点、現在政府はインフレ政策をとっているが、円安はマイナスでもメーカーが順調に価格改定を行えば問題はない。しかし、政府もインフレとは言いながら、食品値上げとなると国民の反発も大きいため、その面のフォローは期待できそうもない。

前回はキユーピーの値上げに間髪入れず他社も追随してきたが、今回はキユーピーはすでに値上げを行ったが、他のメーカーの値上げの動きはかなり緩慢であり、卸の業績の本格的な立ち直りにはやや時間を要しよう。特に今回は三菱食品の経営が変わり、やや従来に増して売上至上主義的な傾向が見えることが気がかりである。

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2013-11-10 | Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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