伊藤忠食品(2692)の2014年3月期第3四半期決算報告 - 卸売業を深く知るためのサイト

伊藤忠食品(2692)の2014年3月期第3四半期決算報告

1月31日に公表された伊藤忠食品(2692)の2014年3月期第3四半期決算について分析した。

2014年3月期第3四半期決算(3ヶ月:10-12月)は、1.1%増収、10.2%営業減益と8四半期連続の前年同期比営業減益となった。

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この厳しい業績の背景には、業界全体の要因と同社独自の要因の二面がある。

まず、加工食品卸業界の収益変動の特性として、コストアップに弱いことが挙げられる。特に人件費、物流費が上がる局面では過去にも減益に落ち込んだことがある。これは卸売業が自らのコストを下げ、その分を小売業への納入価に反映させる努力をしているためである。物流費、人件費等が下がらなくなると、納入価を下げる余地がなくなり、少しでも納入価を下げると減益になってしまう。

また、メーカーのコストアップ局面では、メーカーの販売促進費が抑制され、それも小売への納入価引き下げの原資であることから、卸の業績の圧迫要因となる。

それゆえ、上場大手加工食品卸売業3社の営業利益は前四半期までですでに5四半期連続営業利益は前年同期比減益となっている。そして、すでに公表された同社も三菱食品(7451)も前年同期比ベースで営業減益となっている。

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ただし、この3社の中でも同社の収益の落ち込みは大きい。これは同社の顧客構成によるものと考えられる。同社と他の2社との差は、中堅以下のスーパーのウエイトの差である。卸の機能への依存度が高い中堅以下のスーパーとの取引が、加工食品卸売業にとっては最も付加価値をつけやすいビジネスである。

しかし、同社は効率経営を追求した結果、大手小売業が中心のビジネスモデルとなっている。大手小売業とのビジネスではあまり収益が稼げないが、同社では百貨店とセブン・イレブンで収益の大半を稼いでいたものと推測される。もともと大手スーパーとの取引では収益は出ていなかったと考えられるため、ここに来て下がっているのは稼ぎガシラのセブン・イレブンではないかと考えられる。

これは、セブン・イレブンの商品構成が同社がカバーしていない低温帯の商品や、同社にとって収益性が低いセブン・イレブンのPBであるためと推測される。

業界全体の収益に関しては、メーカーの値上げによって好転するケースが多い。今回の場合、消費増税に合わせて、価格体系を変更するメーカーが多くあるようで、来期に入れば多少逆風は収まる可能性はあるものの、同社の独自要因に関しては、ブレーキがかかる環境になく、今後いかなる対応を同社が行うのか、注意深くウォッチしたいと思う。

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2014-02-08 | Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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