食品値上げの秋に注目される加工食品卸売業 - 卸売業を深く知るためのサイト

食品値上げの秋に注目される加工食品卸売業

この秋から冬にかけて加工食品の値上げが相次いでいる。家庭用のレギュラーコーヒーは、主要産地のブラジルの干ばつでコーヒー豆の価格が上昇していることと円安で値上げされる。また、輸入ワインも天候不順と円安が値上げ要因である。

即席めんも相次いで値上げされる。円安や新興国の需要拡大で小麦などの輸入原料が上昇し、包装資材やガソリン、軽油の値上がりもコストアップ要因である。

加工食品卸売業の業績はこのところメーカーのコストアップと自らのコストアップにより、厳しい状況が続いてきた。過去にも現在同様にメーカーのコストアップにより厳しい局面となることがあったが、その後のメーカーの値上げにより卸のフィーも増えることから急速に業績が回復した。

しかし、今回の場合、実は昨年あたりからメーカーのコストアップは始まっていたのであるが、消費税増税を控え、その動向を見守りたいというスタンスからメーカーが値上げを見送っていたため、価格上昇の恩恵が先延ばしになっていた。今回、メーカーの値上げが始まったことによって、加工食品卸売業の業績も回復の可能性が見えてきたと言えよう。

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前回、メーカーのコストアップによって加工食品卸売業の業績が大きく悪化したのは2005年から2007年であった。図は上場加工食品大手3社の三菱食品(7451)、伊藤忠食品(2692)、加藤産業(9869)の四半期ベースの営業利益合計値を12か月(4四半期)移動平均したものである。

前回の場合、4四半期移動平均のピーク営業利益は60億円ほどであったが、2年後のボトムにはピークの57%水準まで落ち込んでいる。その後、メーカーの値上げが相次いだことによって、3年後には過去最高益を更新した。

今回はピークの営業利益水準と比較すると、直近(2014年4-6月)でも75%の水準にとどまっているが、これは前回のコストアップ局面の経験を踏まえて各社が慎重に行動したためと考えられる。

今回の加工食品メーカーの値上げであるが、実際はこの1年間でも五月雨的に行われてきた。たとえば、原材料の高騰でハム・ソーセージの値上げが行われた。しかし、ハム・ソーセージは卸を通さない食品であるため、卸の業績とは無関係である。

また、卸を通す加工食品でも値上げは行われてきたが、メーカーが消費税増税の影響も考慮し、規格変更で実質値上げを行うものであった。つまり、表面上の価格を変えず、容量を変更するようなパターンである。その場合、消費者はこれまでと同じ量を買っているつもりでも、実際は同じ金額で、量が減っているというパターンになる。そうなると、総購入金額が増えないことが多く、卸の取り分も増えないため、卸の業績には影響を与えない。

今回の場合は、即席めんなど主要商品が、表面上の価格を上げる対応をするところが多く、また比較的広範囲で値上げが行われるため、加工食品卸売業の減益傾向にも歯止めがかかる可能性はあろう。

なお、そもそも論として加工食品卸売業の存在意義や成長性はどうなのかと思う人もいよう。基本的な考え方としては、日本では卸売業の機能水準が大手小売業の機能水準を凌駕したため、大手小売業の寡占度が高まった諸外国のようなことは起こらなかった。

逆にヤオコー(8279)のような地域大手小売業が、卸売業のサポートを受けることで、大手小売業を圧倒する力を持てる市場である。ヤオコーのレポートはこちら。
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なお、この点に関しては弊著「日本の問屋は永遠なり」に詳細に解説しているので、お持ちの方は再度お読みいただきたい。まだ、手元にない方はこちらから入手できます。
「日本の問屋は永遠なり」:
http://cherry100.mods.jp/ra/s/489

また、加工食品の値上げは卸にとって仕入れ価格の上昇であり、直観的にはなぜそれが収益にプラスなのかはなかなか部外者にはわかりにくい。その点に関しても我が国の食品流通の取引慣行を踏まえて、上記書籍で詳細に解説している。

注目企業は加藤産業(9869)、三菱食品(7451)である。なお、本記事のより詳細なレポートがこちらから入手できます。(有料)
https://form.zero1-mail.com/f/42ca16c2/
レポート番号:20141007-orosi

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2014-10-07 | Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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