いよいよ訪れたGMS崩壊 - 卸売業を深く知るためのサイト

いよいよ訪れたGMS崩壊

小売市場の最近の最大の話題は、何と言っても「GMSの崩壊」であろう。

当ブログでは、「我が国の卸売業の機能の高さ」から、日本ではウォルマートのような巨大総合ディスカントは成功しないという主張を続けてきた。それゆえ、イオンやイトーヨーカ堂、ユニー、そしてウォルマートが買収した西友などのGMSはやがてなくなるか、業態転換をすると見てきた。

そのような主旨で、2012年5月に発刊したのが、「日本の問屋は永遠なり」(アバン札幌)であった。
「日本の問屋は永遠なり」の詳細はこちらをご覧ください。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/889

この書籍の主旨は、小売業の競争力の源泉はロジスティクスとマーチャンダイジングであって、その競争に勝ち残った小売業が巨大化したのが海外流通先進国であり、その代表がウォルマートである。

日本でも同様な市場になるという主旨で、1962年に刊行された「流通革命」であり、そこから流通革命と卸不要論がその後の流通市場の流行語となった。

しかし、結果的に言えば、日本では海外消費先進国のような形での「流通革命」は起きなかった。その最大のキーを握ったのが加工食品卸売業である。

日本においては1990年までは流通革命自体が起きなかった。これはその間、「大店法」があったことによる。そもそも流通革命がおこる大前提は自由な競争であり、大店法によって競争が制限されていた我が国においては、その間には流通革命は起きなかった。

そして、1990年代になり、大店法が緩和されたことによって、本格的な流通革命がおこり、徐々に優勝劣敗がはっきりするようになってきた。しかし、その自由競争下で、流通革命の勝者となったのは総合スーパーではなかった。

これは、総合スーパーが大店法下で最も恩恵を受けたことによってその間、本来小売業にとって最も重要なロジスティクスもマーチャンダイジングも身につかなかったことによる。実はその間、ロジスティクスとマーチャンダイジング力を最も蓄積したのが卸売業であった。
しかし大店法下で恩恵を受けたのは小売業であって、卸売業は必ずしも日の当たる存在ではなかった。むしろ、世間は1962年発刊の「流通革命」に支配され、卸売業の価値に気づいていなかったとさえ言えよう。

しかし、1990年代になり大店法が緩和され始めて、小売業同士がそれまでとは比較にならないほど厳しい競争にさらされると、卸売業が長期間蓄積してきたロジスティクス力とマーチャンダイジング力が小売業にとってはなくてはならないものになってきた。

その卸売業の機能はすべての小売業が等しく恩恵を受けたが、そもそも本部機構のウエイトが高く高コストなGMSの恩恵が最も少なかったため、特に地域密着型の食品スーパーとの戦いに敗れたと言えよう。

下の表は、総合スーパー大手3社の総合スーパーの売上高(営業収益)、営業利益を見たものである。3社合計の売上高は4兆円を超えるが、営業利益率は0.35%であり、営業利益は147億円に過ぎない。

それに対して、食品スーパーの代表であるヤオコー(8279)の売上高は3,000億円強に過ぎないが、営業利益は135億円とGMS3社の合計値に匹敵するのである。

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もちろん、GMSの衰退と食品スーパーの繁栄は加工食品卸売業の機能の高さだけで説明できるものではない。その他さまざまな要因が重なった結果であると考えられる。当ブログではそれらの要因をアナリストの観点からひとつずつ検証し、小売市場の将来像を考えてみたいと思う。
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2015-09-20 | Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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