「運は創るもの」(ニトリホールディングス社長、似鳥昭雄) - 卸売業を深く知るためのサイト

「運は創るもの」(ニトリホールディングス社長、似鳥昭雄)

日本経済新聞朝刊の「私の履歴書」で2015年4月に取り上げられたのがニトリホールディングス社長の似鳥昭雄氏であった。

まさに捧腹絶倒という内容であったが、本書はその「私の履歴書」を大幅に加筆修正したものである。なぜ、同氏のような落ちこぼれが、ニトリというわが国有数のチェーストアを作り上げることができたのか?

意外と認識されていない面もありますが、チェーストアとしての同社はすでに巨大で、株式時価総額で言えば、ユニクロのファーストリテイリング、セブン・イレブンのセブン・アンド・アイホールディングス、イオンに次ぐ規模でおおよそ1兆円あります。

本書を読むとそのニトリの成功の秘密を垣間見ることができます。

一番の秘密は、同氏が自分は馬鹿だから利口な人の知恵を借りようというスタンスだったことでしょう。そこで出会ったのがペガサスクラブを主催した故・渥美俊一氏であった。渥美氏のチェーストア理論の理想は高く、多くの経営者が挑戦しては敗れていったのであるが、愚直なまでに達成を目指したのが似鳥氏であった。

さらに、まだまだ同社が中小企業のうちから、大学を卒業した新入社員と渥美流を学び、全社共有の価値観としたことが、その後の同社の発展に大いに貢献したものである。考えてみれば、通常は企業を興して、試行錯誤しながら世の中にないビジネスの仕組みを組み上げてゆくわけである。

それが普通のところ、すでに渥美俊一という稀代のコンサルタントが構築したモデルを全社で共有して中小企業のうちから自社モデルとして確立したわけである。これほど強固なシステムはないのであろう。

同社では、ペガサスクラブ入会に当たって、30年計画を作成することになった。1978年のことである。当時、7店舗、30億円の売上に過ぎなかった会社であった。おそるおそる、100億円の計画を提出したところ、渥美氏からはもっと大きな計画にしろと一蹴される。

そして、2002年に100店舗、1,000億円という計画を提出したが、結果的に1年遅れで達成することになる。

今の目標は2032年、1,000店舗、3兆円である。これまたとんでもない計画に見えるが、実は現状の成長スピードはこれを上回っているのである。2002年の883億円が2032年に3兆円になるためには年率12.5%の成長が必要である。しかし、前年度までの売上高成長率は年率13.8%に達するのである。

それでもまだ、世界トップのIKEAの売上高の9分の1に過ぎない。ただし、あちらは同期間の成長率は年率9%であるから、追い付くまでには計算上あと60年かかるが、海外が軌道に乗れば、さらに短縮が可能ではなかろうか。

チェーンストアの巨大化はメーカーの巨大化ほどは易しくないが、同社であれば十分達成が可能なのではなかろうか。



なお、同書を読むにあって、渥美俊一氏の集大成である「21世紀のチェーンストア」をお薦めしたい。



同社初のMOOK本も出ました。
「ニトリのベストアイテム」はこちらです。


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2015-10-01 | Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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