神戸物産(3038)の2015年10月期決算 - 卸売業を深く知るためのサイト

神戸物産(3038)の2015年10月期決算

神戸物産(3038)の2015年10月期決算について報告する。

神戸物産(3038)の2015年10月期決算は6.8%増収、31.3%営業増益、33.4%経常増益、58.1%純利増益となった。同社は第3四半期決算前に通期業績を増額修正していたが、売上高と営業利益はその時点の計画を上回り、経常利益と純利益はその時点の計画を下回った。

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引き続き主力の業務スーパーが好調に推移した。直轄エリア、地方エリアとも既存店はプラスをキープした。価格転嫁も順調に推移し、営業利益も大幅な増加となった。営業利益は61.2億円から74.3億円と21.4%増益であった。

クイックイノベンチャー事業の営業利益は7.1億円から13.9億円へと大幅に増加した。クイックイノベンチャー事業は上場している外食企業のジー・テイスト(2694)そのものの利益とジー・テイストへの食材供給による利益と考えられる。クイックイノベンチャー事業は6.8億円の増益であったが、ジー・テイストの営業利益自体はほぼ横ばいであることから増益のほとんどは食材供給による利益ではないかと考えられる。

全社の営業利益は16.23億円の増益であるが、業務スーパーとクイックイノベンチャー事業で20億円ほどの増益になっており、その他外食、エコ再生事業の寄与は依然小さなものである。

期中の業績修正に対して、着地は営業利益が増額修正であったが、経常利益は減額修正となった。これは営業外の為替差やオプション益が第3四半期までの累計で26.87億円のプラスであったが、第4四半期に6.48億円のマイナスに転じたことによる。同社では輸入が多いためそのヘッジでドルを予約しているため、円安になると差益、円高で差損が発生する。2014年10月末に対して第3四半期末の2015年7月までは円安であったが、そこから期末までで3円ほどの円高に振れたため為替で損失が発生した。

今期業績は6.3%増収、32.3%営業増益、6.2%経常増益、28.9%純利増益を予想している。個別事業の開示はないが、主たる増益要因は業務スーパーとなっている模様。業務スーパーのビジネスモデルは評価できるモデルである。業務スーパーはトーホー(8142)が始めたA-priceが原型であり、他の有力企業としては花正が有名である。しかし、2008年に起こった毒餃子事件によって中国産食材に対する拒絶反応が起こり、花正は店舗数を大幅に縮小、トーホーのA-priceも鳴かず飛ばずとなった。同社も存亡の危機に立ったが、食材調達の多様化を進め、今やこの分野では独壇場となっている。

ただし、同社も含めた小売業全般に、円安によるコストアップで苦しみ、その後の価格転嫁でこの2期間、営業利益の伸びは大きくなっている。しかし、それも一巡し始めており、前期並みの高い営業利益増はややハードルが高くなっている。営業外の為替、デリバティブはニュートラル見通しであり、為替がどうぶれるかで変わってくる。よって、現時点では為替をニュートラルと考えた場合、営業利益も経常利益もやや未達感がある。

当ブログでは同社株に関しては2014年半ば以降の月次データの好調を背景に、2014年8月末から推奨を開始している。
その時点のレポート:http://mailzou.com/get.php?R=78553&M=19999

その時点の株価は今の株数で800円ほどであった。その後年末までには2,500円を超えた。12月の決算発表で中期計画を公表し、2017年10月期で経常利益150億円を打ち出した。しかもその時点の経常利益である60億円強に対して、90億円弱の増益の大半が太陽光発電というものであった。中には色めき立った人もいたが、どう考えても納得できない話であり、すでに株価も大きく上昇したため、その後は見送りとしていた。株価はその後何と7,000円弱まで上昇するのであるが、そこがピークとなった。

あれから1年経って、今回の説明会では太陽光発電に関しては大幅なトーンダウンとなった。同社ではすでに認可自体は355MW以上を取得済みであるが、終わった期には15.6MWであり、今期の稼働もMAXで8MWとしている。15.6MWの年間売上は6.56億円であり、355MWとすれば149億円であるから、ずいぶんと小さくなってしまったものである。

同社の業務スーパー自体のビジネスモデルは優れたものであり、コンスタントに10%ほどの利益成長は見込めよう。そうであれば、現時点のPERの20倍強は妥当な範囲とはいえよう。しかし、一旦、夢物語で買われた後だけに、妥当水準では止まらず、大きく下振れることもあり得よう。また、現状の業績見通しが下にぶれる可能性がないわけではないことから、まだしばらくは見送り姿勢としたい。

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2015-12-18 | Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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